『好きにならずにいられない』を楽しく観るための、いくつかの事柄

アイスランド

フーシが暮らす国は、北大西洋に浮かぶ島国アイスランド。デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドと並ぶ北欧諸国のひとつです。面積10万3千平方キロメートル(北海道の約1.3倍)、そのおよそ1/10が氷河に覆われ、世界でも有数の火山国であることから「火と氷の国」と呼ばれています。北極圏に近いため、夏と冬とで太陽の出ている時間が著しく異なり、日の短い時期は1日4時間ほどしか日が昇らないことも。人口は約32万9千人(東京都新宿区とほぼ一緒)で、およそ2/3にあたる20万人が首都レイキャビク周辺で暮らしています。言語はアイスランド語。日本からの飛行時間は約15時間。「光のカーテン」と呼ばれる壮大なオーロラを鑑賞するツアーが人気です。

ドリー・パートンとカート・コバーン

シェヴンに頼まれ、フーシがラジオ番組にリクエストする「アイランド・イン・ザ・ストリーム」は、カントリーミュージック界のスーパースターであるドリー・パートンとケニー・ロジャースによるデュエットソング。カート・コバーンの死にショックを受け、スレイヤーやアイスランドのスラッシュメタルバンドSkurkの曲を愛聴するフーシにとって、馴染みのDJに甘いラブソングをリクエストするのは相当な勇気がいったはず。「海流の中の島々 それが僕たち 一緒に船出しよう ともに信頼しあって」と歌う詞の内容は、フーシとシェヴンの心情ともリンクしています。

フーシの好きなミルク

牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト…アイスランドの国民食「スキール」をはじめとした乳製品がとびきり美味しいことで知られるアイスランド。牛乳の国民一人あたりの消費量は世界第4位、チーズはフランスに次いで世界第2位(!)という乳製品好きのお国柄。フーシの飲んでいるのは、地元ブランド「muu」の牛乳。スーパー、コンビニなどで広く売られているブランドのようです。

カントリーラインダンス

「カントリーラインダンス」とは、1列になって並び、カントリーミュージックに合わせて、全員が同じステップを踏みながら踊るダンス。カントリーブーツが映える華麗な足さばきが特徴で、ステップの種類は多岐にわたります。カップルで踊るカントリーダンスとは、また種類が異なるそう。

パッタイと回転寿司

金曜日の夜にきまってフーシがパッタイを食べるレストランは、レイキャビク郊外にある「Thai Style」が舞台。関係を深めたフーシとシェヴンが夕食をとる回転寿司のお店は、レイキャビクに3店舗を展開する「OSUSHI the train」。こじんまりとしたタイ料理店を好んでいたフーシが、たくさんの人で賑わうオシャレな寿司レストランを2人のデート場所に選ぶあたりに、フーシの成長ぶりが伺えます。

フーシの勤める航空会社

劇中では特定されていませんが、画面にちらっと映るビビッドなピンクのロゴが入った機体は、アイスランドのLCC(格安航空会社)「WOW air」のもの。ヨーロッパ、アメリカの主要都市からアイスランドの国際空港であるケプラヴィーク国際空港まで運行しています。劇中ではこの「飛行機」が、フーシの人生の大きな役割を担います。

エル・アラメインの戦い

フーシがジオラマで再現していた「エル・アラメインの戦い」は、第二次世界大戦の主要な決戦のひとつ。1942年エジプトのエル・アラメインでロンメル将軍率いる枢軸国(ドイツ・イタリア)軍と連合国軍が2度にわたる激戦を繰り広げ、連合国軍が勝利を収めました。後に「エル・アラメインの前に勝利なく、エル・アラメインの後に敗北なし」と言われ、連合国軍の形勢逆転の契機となりました。

ペイントボール

フーシが同僚に誘われたペイントボールは、80年代にアメリカで生まれ、全世界の競技人口1600万人以上のスポーツ。70m×40mのフィールドで、二手に分かれたグループが制限時間内に相手の陣地の旗を奪います。プレイヤーはマーカーと呼ばれる道具からインクの入ったボールを撃ち、相手プレイヤーを攻撃。インクは主に食品添加物、ボールはゼラチンで作られており、環境にも害のない仕組みとなっています。レイキャビク周辺にもいくつかのペイントボールパークが存在し、若者を中心に高い人気を誇っています。

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