不機嫌な男たち

ミン・ビョングク Min Byung-kook   監督・脚本

1962年生まれ。大学卒業後、貿易会社に就職。6年間のサラリーマン生活を経て、本作『不機嫌な男たち』の脚本執筆の為退社。ホン・サンス監督の『江原道の力』に助監督として参加しながら脚本を書き続け、’01年、脚本が文化日報紙の文学コンテスト最優秀脚本賞を受賞。これをきっかけに監督デビューを果たす。
デビュー作が東京国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞したミン・ビョングクは将来の韓国映画を背負って立つ期待の新人である。


キャスト

チョン・チャン(ムノ役)

作家を夢見る30代半ばの男。仕事の約束はすっぽかされ、居酒屋でけんかに巻き込まれる。退屈な日常に疲れたムノは、インターネットで知り合った女ユンジョンに歯の浮くような言葉をしたためた手紙を送る。
妻の前で携帯を使いデートの約束をし、一晩だけの付き合いにしたいというユンジョンに未練を抱く。

1971年生まれのチョン・チャンは、キム・インシク監督のデビュー作『ロード・ムービー』(02)で社会の落伍者になってしまった元エリート証券会社社員という難しい役柄を演じ注目を浴びた。複数の映画雑誌でコラムを執筆したり、政治活動にも熱心な俳優でもある彼は、トレンディードラマの男主人公といったステロタイプの役柄より冒険のできる作品をあえて選択し、本作での内面的な演技が高く評価されている。

filmography
若い男(1994)
オーバー・ザ・レインボー(2002)
ロード・ムービー(2002)
その家の前(2003)
不機嫌な男たち(2004)

キム・ユソク(ジョンギュ役)

足を引きずって歩く研究所勤めの男ジョンギュ。街で見かける若い女にはすぐ興味を示すが、初恋の人スヒョンに対する執着をいつまでも捨てられない男。職場では勤務態度が悪く、上司にいつも叱責されている。同僚で恋人でもあるキムの堕胎手術の為に借金をしなければならないのに、久しぶりに会ったスヒョンとホテルに行く時は豪華なスイートルームに泊まろうとする。

1967年生まれ。東国大学演劇映画科卒業後、ロシアのスェプキン国立演劇大学に留学。同大学にて演技実習理論の修士学位を取得。ホン・サンス監督『江原道の力』(98)の警官役、キム・ギドク監督『魚と寝る女』(00)の釣堀小屋に閉じこもる男の役等で注目を浴びる。現在は本作でも共演しているチョン・チャンと共にSBS製作の大河ドラマ「土地」に出演中。

filmography
江原道の力(1998)
魚と寝る女(2000)
菊花の香り(2002)
不機嫌な男たち(2004)

ユン・ジヘ(ユンジョン役)

会社勤めの平凡なOL生活を送るユンジョン。資産家の息子でアメリカ帰りの同僚と付き合いながら、上司とも不倫の関係を続けている。社内では打算的な男関係を女子社員に皮肉られいら立つ日々。インターネットで知り合ったムノと関係を結ぶが、外国へ語学留学したいという自分の夢をムノが理解せず失望する。

1979年生まれ。ソウル芸術大学演劇科卒業。パク・キヒョン監督の『囁く廊下〜女校怪談〜』で映画デビューを飾る。趣味はピアノ、ドラムの演奏。

シン・ソミ(スヒョン役)

ジョンギュの初恋の人、スヒョンは検事の夫と幸せな家庭を築いている。自分は大学の研究室で働き、恩師の引き抜きで教授職につくのを夢みていたが挫折。久しぶりに出会ったジョンギュに半ば強引にホテルへと誘われる。執拗に交際を迫る彼に嫌気がさし拒絶するのだが…。

1975年生まれ。アメリカのマウントバーノン・カレッジ卒業。’95に芸能界デビュー。数々のTVドラマに出演している人気女優。映画出演は本作『不機嫌な男たち』が2本目。趣味は読書。

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