待合室

公開:2006年11月4日

ストーリー

山間にある寒村。過疎がすすみ、若者の姿はほとんどなく、冬になれば寒さが厳しく、深い雪に閉ざされる町……。
そんな町に全国各地から、自転車や徒歩、ヒッチハイクなどで来た旅人が立ち寄って、駅の待合室に置かれた命のノートを開いてゆく。そこには、以前にここを訪れた旅人の心の叫びが記してあり、自らも、抱えている悩みや苦しみを書き残してゆく者も少なくはない。 そうした書き込みに、励ましの返事を書き続けているのが、駅前で酒屋を経営している夏井和代だ。

さらに、和代は一人旅をしている若者の無事を案じ、おにぎりや果物を差し入れる。深くお礼を言う旅人に和代は明るく答える。
 「気にしなぐてええがら。あたり前ぇのごとしてるだけなんだもの」そのような和代を東北のお母さんと慕って、何度もこの町を訪れる若者もいる。また、結婚の報告や就職の報告をして来る者もいる。

和代は、四十数年前に遠野から嫁いできた。当時、店は客で賑わい、みんなで明るい未来を語り合った。だが、大きく変化する時代に取り残され、昔のままの姿をとどめながら、町はさびれてゆき、やがて夏代は最愛の夫と娘を病魔と事故で失う。

生きてゆく希望を失いつつも、和代は一生懸命に生きていればいつか必ずいい事があると自らを奮い立たせ、時折、楽しく過ごした夫と娘との生活を思い出しながら、笑顔を絶やさずに日々を送ってきた

作品詳細

監督:板倉真琴
出演:富司純子、寺島しのぶ、ダンカン、あき竹城、斉藤洋介、市川実和子、利重剛、楯真由子、桜井センリ、風見章子
配給:東京テアトル/デジタルサイト 宣伝:マジックアワー

公式サイト

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