不機嫌な男たち

本作『不機嫌な男たち』の原題「可能な変化たち」を地でいった訳ではないが、監督ミン・ビョングクは自身の人生における大きな変化をかけて、6年間勤めていた会社を退職し1996年映画界に跳びこんだ。

その後、3年の歳月をかけて『不機嫌な男たち』のシナリオを執筆。完成したシナリオは2001年文化日報紙の新春文芸コンテストシナリオ部門で最優秀脚本賞を獲得した。

当時、審査委員のメンバーだった監督のイ・チャンドン、イ・グァンモは『不機嫌な男たち』についてコメントを残している。

「これは世俗的価値の虚構性を赤裸々に表現した作品だ。良い映画として製作されることを心より祈る。」

以後、2年余りの歳月をかけ本作は韓国映画界の最高のスタッフ達の手によって映画化の運びとなり、2004年4月チョンジュ国際映画祭のオープニング作品として人々の前に姿を現したのである。


『不機嫌な男たち』は映画製作に関わるコストを抑える為に、通常はあまり試みられていない方法を実施している。スタッフが自分のギャランティーや備品に関する費用の一部を映画に再投資するという〈現物投資方式〉である。これは、映画の興行が損益分岐点を越えた場合、自分の投資分が外部投資者と同じ条件で認められ均等に配分されるシステムである。

本作ではさらに、製作会社がこのシステムに賛同した勇気あるスタッフの熱意に報いる為、損益分岐点を越え製作会社に支給される収益の中で50%をスタッフに還元するという義務条項を契約書に明示した。

こうして出来上がった作品は、配給・マーケティングの面からも、公開前に韓国映画振興委員会(KOFIC)の“2004年芸術映画マーケティング支援作品”に選定されるなど幸運な第一歩を踏み出したのである。

KAFSトップ 2007 lineup キムチを売る女 不機嫌な男たち 許されざるもの 映画館の恋