予告編

ABOUT THE MOVIE

父娘のように暮らしてきた叔父と姪。
穏やかな日常に訪れた、小さな波紋。
夢を追い求めるか、今までと同じ世界にとどまるか。
転機のときを迎えた彼女の選択は──。

のどかで美しいデンマークの農村。27歳のクリスは、叔父さんとともに伝統的なスタイルの酪農農家を営んでいる。朝早くに起きて、足の不自由な叔父さんの着替えを手伝い、朝ごはんを食べ、牛の世話をして、作物を刈り取る。晩ごはんの後はコーヒーを淹れてくつろぎ、週に一度スーパーマーケットに出かける。ふたりの穏やかな日常は、ある夏の日を境に、少しずつ変化する。クリスはかつて抱いていた獣医になる夢を思い出し、教会で知り合った青年からのデートの誘いに胸を躍らせる。戸惑いながらも広い世界に目を向け始めたクリスを、叔父さんは静かに後押しするのだが……。

北欧の新鋭フラレ・ピーダセンが描く
ささやかで、かぎりなく愛おしい人生の物語

監督・脚本は、小津安二郎を映画の師と仰ぐ1980年生まれのフラレ・ピーダセン。ミニマルだが奥深い構成、何気ない日常の一瞬のきらめきを掬い取る手腕、観客を不意打ちする絶妙な間合いと思わず笑みがこぼれるユーモアのセンスは、同じく小津作品をこよなく愛するジム・ジャームッシュやアキ・カウリスマキを彷彿とさせる。一方で、人生の転機を迎えた若い女性の期待と葛藤を現代的な視点で描いている点も要注目だ。さらに撮影も自身で手掛け、生まれ育った南部ユトランドの農村地域を舞台に、農業先進国デンマークで消えつつある伝統的な酪農家の営みを静謐な絵画のような美しい映像に収めた。

主演のふたりは実の姪っ子と叔父さん!
田舎で撮られたちいさな映画が、デンマークの代表に

主人公二人を演じるのは、実の姪と叔父であるイェデ・スナゴーとペーダ・ハンセン・テューセン。これからが期待される若手女優スナゴーは、きめ細やかな演技で自由への怖れと憧れを体現し、実際に劇中の農場を所有する酪農家であり演技未経験のテューセンは、佇まいだけで叔父の人となりを魅せる。本作は東京国際映画祭のグランプリ受賞を皮切りに、世界各国で数多くの国際映画賞を受賞し続け、本年度の北欧映画No.1を決定するノルディック映画賞のデンマーク代表に選出されている。

CAST

STAFF

COMMENT

この映画は、詩のような語り口で、我々に穏やかに物語ってくれました。監督は抑制的で、繊細なカメラワークをもって、忘れ去られる人間の感情をとても力強く表現しました。

チャン・ツィイー
(女優・第32回東京国際映画祭審査委員長)

きっと世界中にこのヒロインのように、ささやかな世界で一生懸命に生きて、
自分が手にする幸せを噛み締める人々がいる。
小さいけど決して消えない星のような希望が見えるあのラストに、私も勇気をもらった。

山崎まどかさん (コラムニスト)

素朴で穏やかなデンマークの田園生活に散りばめられたユーモアのエッセンス。静かに日常を守る心温かさと、諦めに似た感情。些細な変化によってもたらされる心のきらめき。それら全てに愛おしさを感じる作品です。

MIKA TAKAHAMAさん
(イラストレーター)

福祉や教育が整った北欧でも、ひとは不安、自信のなさ、罪悪感、葛藤から完全に自由にはなれないのかもしれない。どこで暮らしていても、わたしたちは他者とのつながりの中で、感情に揺さぶられながら生きていくのだ。

さわひろあやさん
(デンマーク在住 ライター、児童図書館司書)

自分だったら主人公とは違う道を選ぶかもしれない。だけど、後悔しないための道を主体的に選びとるという志は同じだ。社会から張られる「性別」や「年齢」のラベルより、自分自身の内なる声に従順でいたい。

奥浜レイラさん
(映画・音楽パーソナリティ)

自分の夢を物置きにしまい込んで、家族の世話と家業に明け暮れる女性。
彼女とよく似た人が、日本に、世界中に、どれだけいるだろう。
みんなそろそろ、優しさの殻をやぶる時が来たようです。

山内マリコさん (作家)

いつの間にか檻になった日常。優しさが引き留め、また送り出す。
どこかへ行きたいと渇望しながら、変わることへ躊躇する、全ての人のための物語だ。

今日マチ子さん (漫画家)

★★★★★
素晴らしい、驚くべき作品が現れた!

DR

★★★★★
規模は小さいけど、とてもすてきな映画

Berlingske