ストーリー

最果ての地、上終（カミハテ）。
小さな港町で独りひなびた商店を営む初老の女性、千代。
店の近 くには険しい断崖絶壁があり、いつしかそこは自殺の名所となっていた。
千代が焼くパンを食べ、牛乳を飲んで自殺への道を歩む人たち。
彼女は死にゆく人を決して止めず、ただ見送った人の靴を崖から持ち帰っていた…。

島根県隠岐郡海士 町全面協力のもと、第一線 のプロのスタッフ・キャストと京都造形芸術大学映画学科の学生たちがタッグを組み制作した“北白川派”映画第3弾。

23年ぶりの映画主演となる高橋惠子がやり場のない初老女性の複雑な心情を静かなしかし圧倒的な存在感で熱演。

また不器用ながらも都会で一生懸命に生きる弟良雄を寺島進が軽妙に演じ、物語に穏やかな空気を注いでいる。

監督は前作のドキュメンタリー映画『ツヒノスミカ』が、内外で高く評価された山本起也。
劇映画デビューとなる本作『カミハテ商店』でも、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に並ぶ存在としてヨーロッパで認められている、チェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭メインコンペティション部門に見事招待される快挙となった。

作品詳細