画面の底に、なにか粘りのある、力のある、いい映画だ。 登場する人物たちはみんな、なんとも情ない情況にあるが、 見ていてそれが、逆に楽しくって、いいぞいいぞ、なんとかなるぞ、 俺も一緒にそこまで行こう、と言いたくなる。●映画評論家:佐藤忠男 何でもないような世の中の事象や人間を、何かあるような映画にしてしまう監督の腕に感服。やっぱり、映画というものはこうでなくては。●映画監督:大森一樹 緒方明監督+青木研次脚本の名コンビが、またまたやらかした。 今まで観たどんな映画にも似ていない。なんなのだ、これは??!! 今の日本映画界の常識では存在があり得ない作品が、創りたいから創られ、 映画館で鑑賞できるなんて、なんとステキ過ぎる、うれしい事件なのだろう。 世界の誰にも真似できないオリジナリティーに溢れた映画、 気合いが入っているのか脱力しているのかわからない、 大まじめなのかブラックギャグなのかわからない、 そのどちらでもあるような、面白くも不思議な異次元ワールドに連れていかれる映画だ。 映画でしか表現し得ない「何か」、しかし、 覚悟して創ろうとしないと絶対に形にならなかった未知な「何か」が、ここに生まれた。 笑っていいのか? 笑っていいのだ。 感動していいのか? 感動していいのだ。 勝手に解釈していいのか? 解釈していいのだ。 理解しなくていいのか? 理解しなくていいのだ。 ただ、映画を浴びて、楽しめば、いい。映画は自由で、面白く、それでしかないもの。 映画は、まだまだ、無限の可能性に満ちあふれている。●映画監督:石井岳龍 友だちと歩くと、人との出会いがあり、いろいろな出来ごとに遭遇する。 歩くことは人生そのもの。俳優達が皆いい味を出している。 特にベテランの上田耕一と高橋長英が素晴らしい。 緒方明監督が、優しい眼差しで描く人生についての映画。必見!●カメラマン:川上皓市 緒方明という大器の内に潜む繊細な演出力が 日常風景の中に眠る人々の危うさと、同時に観客の目を覚まさせる!●映画監督:伊藤俊也 師匠の石井岳龍は「走る」映画だったけど緒方明が選んだのは「歩く」映画だった。  そうだよな。今の時代、歩くことだって大変だ。  時々立ち止まったっていいから、どんな に遅くても前進しよう。  歩き続けよう、誰かのために、己のために。  緒方の思いと気合いが入った、チャー ミングな映画です。熱演の虫も必見。    映画監督:天願大介 当たり前だが映画監督に付き物の反省と後悔。  人それぞれだが、作品の完成時から付きまとう悪霊。  商品であるが故の宿命みたいなもの。緒方監督の「友だちと歩こう」は気持ちの良い映画だ。  全く後悔みたいなものが感じられない。おそらく相当気分良く撮っていたのだろう。  だから観る側に気持ち良さが伝わってくる。緒方映画のベスト!である。    映画監督:成田裕介 『独立少年合唱団』『いつか読書する日』の脚本家である青木研次が、  三度、緒方明を挑発する脚本を書き、緒方明は受けて立った。  誰かが要求する下品な商業性はそこには全く存在せず、  映画固有の「アクション性」が「歩く」と云う行動に集約され作品を「映画」にしている。  そして勿論、そのことがこの作品独自の興行価値になっている。  つまり、稀有な作品が誕生したと云うことだ。語れる映画ですッ。劇場でお遇いしましょう。    映画監督:細野辰興 国雄さん(高橋長英)の歩き方が素晴らしい!  人間は一生歩き続けなければならない生き物だが、  その滑稽さ、悲しみ、執着、全てが歩き方から染み出ていた。これぞリアリズム。    「散歩の達人」編集長:武田憲人 震災により余儀なく制作を延期し、1年後新たな心持ちでスタートさせた『友だちと歩こう』。  青木研次の脚本も上田耕一さん・高橋長英さんの演技も見事だが、  それ以上映画を見応えあるものにしているのは緒方明の志しだ。  今を生きることに徹底した人物たちの姿を通し、  緒方自身この方法でしか描けなかったであろう私たちの過去と現在、  さほど遠くはない未来を繋ぎ合わせ、その方向を示すことに成功した。  それは私たちにとってとても貴重な体験である。    映画監督:サトウトシキ 誰もが考えそうでやれない、歩くこと。 こうもシンプルにやられるともう、参った―、なのである。 そして素晴らしいのは胸を張って立っている映画のさま。 この潔さ、実はズシリと重い。  映画監督:瀬々敬久 『友だちと歩こう』観て来た。さすがの緒方明監督作品。唸った。ものすごく良かった。 人生はいつでも「道」を選択して生きるもんだとどこか思っていたんだけど。 人は三叉路をいつだって行きつ戻りつ出来るのであって、 道はどこまでも続き、行く事だけが人生ではなく 戻り進み、どこへでも行ける、そんな風に思わせてくれた初めての感覚でありました。 そしてどこでも道になりうる。 そして誰でも友だちになれる。 人は繋がれるし、離れられるし、また繋がれるし、広がる。  うお。深い。そしてあったかいのでした。  シネマテークたかさき代表:志尾睦子 歩くことが、こんなに愉快で、大変で、驚きに満ちているとは! 歩みを見つめるその眼差しに、人類愛が溢れてる。 こちらに向かって歩いてくる二人の姿を見ているだけで、 胸がいっぱいになった。友だちと歩きたくなった。ゆっくりと。 女優:小橋めぐみ 「登場人物が道を歩いている」というワンシーンがシナリオにあるとします。 こういったシーンは、映画撮影全体の中でも、割かれる時間が短いことが多いです。 派手なアクションもなく、俳優に歩いてもらえば、何かしら映るからです。 でもだからこそ、難しい。 どう撮ればいいのか、いつも悩みます。拠り所がないのです。 そして、物珍しい背景の場所を選んだり、人物に動きをつけやすい起伏のある道を選んだりして、そこに何とか救いを見出そうとしてしまいます。 でも、この映画で緒方監督が選んだ道は、川沿いであったり、団地前のまっすぐな道であったり、田んぼに挟まれた田舎道であったり、一見、何の変哲もない道ばかり。 それなのに、「人が歩く」シーンが、この上なく面白い……。 そこを歩いているだけで浮かびがってくる、人物たちの歴史。 「人と道があれば映画は作れる」という堂々たる宣言。 誰にでも撮れそうで、実は誰にも撮れない映画。 人間が大好きな、緒方監督だからこそ、できた映画なのだと思います。 映画監督:横浜聡子 子どもの頃は友達を誘って林でかくれんぼするのはドキドキする経験でしたが、  後期高齢者保険証が届く年令になると、近くへ買い物にいくのが冒険になりました。  そんな冒険心と冗談に満ち溢れたこの映画は楽しさを満喫させてくれました。  緒方、ありがとう。  プロデューサー:佐々木史朗 見えない景色に生きるより、今見えてる景色に生きたいし、悩みたい。  不格好でも前に進みたい、立ち止まりたい。  許してくれるような、厳しいような、よくわからんけど優しい映画。  チャーミングっす。ぜひ!  俳優:高良健吾 俳優たちの 演技が素晴らしい!  なんて心地 良い映画だろう!  監督が画面 に捉えた《道》の風景がたまらなく好きだ。  俳優・映画監督:竹中直人 「愛」が求めるものではなく、愛していく勇気だとすれば、  『友だちと歩こう』は緒方さんの「映画愛」の表明なのだ、と思った。  添加物の一切入ってないすがすがしさといさぎよさに心が洗われた。  映画監督:萩生田宏治 上田耕一さん、高橋長英さんが元気で芝居され、見ていて嬉しかったです。  二人の「体重」が移動ショットで映し出されることで「人生の重さ」が捉えられ、  普通の日常がサスペンスになり、何でも無い風景が映画のフィクションとしての世界になり、  最後には生きてるってそれだけでいいよな、と思わされる。  cobaさんの音楽に励まされ、楽しく歩く気分が生まれて来る前向きな映画です。  映画監督:金子修介