第26回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門正式出品作品

映画『友だちと歩こう』walk whith a friend

仲良しですね。いつも一緒で─
3/22(土曜)

脚本 青木研次 × 音楽 coba × 監督 緒方明

2014年3月22日(土) テアトル新宿ほか全国順次ロードショー!

郊外の団地に独りで暮らす体の不自由な老人富男と国雄。未だ青春を引きずって大人に成りきれない30代のトガシとモウリ。二組4人の男たちが、一緒に歩きながら紡ぎだす、ちょっと笑ってちょっと泣ける友情の物語。「煙草を買いに行く」「赤い毛糸の犬」「1900年代のリンゴ」「道を歩けば」の4つの章で構成されたドラマは、時間の経過とともにそれぞれが強い関係性で結ばれながら進行していく。誰かと歩けば、何かと出会う…。                

団地住まいの老人・富男は、悪い脚を引きずって煙草を買いに行く。富男にとって、決して遠くない道程には様々な出会いと出来事が起こる。団地仲間の国雄、足に怪我を負っているイト、富男にリンクするカフェの男たちに、それを見つめるウエイトレス。富男はその道程に何を見るのか?

モウリは、友達のトガシを連れて、怖いものを見に、元妻のサツキに会いに行く。家に着くと、サツキの旦那と名乗るシマヅと、身に覚えのない子供・ミサキが現れる。一緒に夕飯を食べることになったが…。モウリは、そこで何を見たのか?モウリにとって、怖いものとは何だったのか?

国雄は、煙草を買いに行こうと、富男を待っている。しかし、富男は部屋で動けなくなっていた。国雄は、富男を助け、1人で煙草を買いに行くことにする。翌朝、富男が起きると、国雄がまだ帰ってきていない。国雄に何が起こったのか…。富男は国雄を探しに行くことにする。老人2人の冒険が始まる。

富男と国雄、いつもの喫茶店にいると、そこに、青い顔をしたトガシがやって来る。トガシは、モウリの遺書が入っているという郵便物を持っていた。トガシは開けるのを嫌がったが、富男と国雄とウェイトレスのミイと一緒に開けることに。中に入っていたのは?

1941年、東京都生まれ。61年に舞台「茶館」でデビュー。映画デビューは73年の『狼の紋章』。コミカルな役柄からシリアスな役柄まで幅広いキャラクターを演じ活躍している名バイプレイヤー。平成ゴジラシリーズでは、唯一12作品連続出演。主な出演作は、映画『キャバレー日記』(82)、『マルサの女2』(88)、『桜の園』(90)、『12人の優しい日本人』(91)、『午後の遺言状』(95)、『うなぎ』(97)、『Shall We ダンス?』(96)、『卓球温泉』(98)、『花田少年史幽霊と秘密のトンネル』(06)、『トリック劇場版2』(06)、『憑神』(07)、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)、『チーム・バチスタの栄光』(08)、『ぐるりのこと。』(08)、『火天の城』(09)、『のんちゃんのり弁』(09)、『食堂かたつむり』(10)、『結び目』(10)、『わさお』(11)、『JAZZ爺MEN』(11)、『カラスの親指』(12)、『プリンの味』(13)などがある。確かな演技力で幅広い役をこなして、映画とドラマで長く活躍を続けている。緒方明監督作品は『いつか読書する日』(05)で初参加、本作が4作目の出演となる。

1970年、北海道生まれ。映画出演作は『亡国のイージス』(05)、『殯の森』(06)、『コンナオトナノオンナノコ』(07)、『恋に至る病』(12)ほか多数。「DOCTORS〜最強の名医」(11 /テレビ朝日)、「下流の宴」(11 /NHK)などTVドラマでもコンスタントに活躍する。青山真治監督作品の常連俳優としても知られ、95年のVシネマ『教科書にないッ!』から『Helpless』(96)、『EUREKA』(00)、『サッド ヴァケイション』(07)、『東京公園』(11)と出演し続けている。緒方明監督作品は『その山を崩せ』(10)で初参加、本作が3作目の出演となる。

1975年、兵庫県生まれ。2000年、映画『忘れられぬ人々』で俳優デビュー。テレビドラマ「電車男」(CX)のオタク役や「SP 警視庁警備部警護課第四係」(CX)といった話題作に出演し、その独特な存在感で注目を浴びる。個性派俳優として映画、TVドラマ、舞台と多岐にわたって活躍中。近年の出演作に『SP THE MOTION PICTURE』二部作(10、11)、『テルマエ・ロマエ』(12)、『希望の国』(12)、『県庁おもてなし課』(13)、『謝罪の王様』 (13)、TVドラマ「天地人」(09/NHK大河ドラマ)、「てっぱん」(10/ NHK連続テレビ小説)、「最高の離婚」 (13/CX)、舞台「つく、きえる」(13)など。2014年1/9放送スタートのドラマ「Dr.DMAT」(TBS)にレギュラー出演。緒方明監督作品は『のんちゃんのり弁』(09)で初参加、本作が2作目の出演となる。

1981年、宮崎県生まれ。高校演劇をきっかけに役者への道を歩む。早稲田大学 第1文学部 演劇映像コース在籍時より役者としての活動を開始。2004年、廣木隆一監督『ガールフレンド』のオーディションで主役に抜擢されスクリーンデビュー。その後、映画・TV・舞台にと活動の場を広げている。近年の出演作に、映画『悪人』(10)、『告白』(10)、『必死剣鳥刺し』(10)、『その夜の侍』(13)、『39窃盗団』(13)、TVドラマ「非婚同盟」(09/CX)、「嵐がくれたもの」(09/CX)、「モメる門には福きたる」(13/CX)、 舞台「さよならを教えて」(13)など。緒方明監督作品は『死刑台のエレベー ター』(10)で初参加。

1976年、宮城県生まれ。大学在学中に演劇活動を始め、並行して自主映画作品にも多数参加する。水戸短編映画祭において入江悠監督と出会い、その後の監督作品『SRサイタマノラッパー』(09)出演へと繋がる。本作が話題となりシリーズ出演を果たす。他の出演作として映画では『マジックキッチン』(05)、『ヒーローショー』(10)、『黄金を抱いて翔べ』(1)、『EDEN』(12)、『モンゴル野球青春記 バクシャー』(13)、『アイドル・イズ・デッド のんちゃんのプロパガンダ大戦争』(14)など。テレビドラマでは「駆け込み訴え」(10/NHK-BS)、「ネオ・ウルトラQ<アルゴス・デモクラシー>」(13/ WOWOW)、「猫侍」(13/tvk他<レギュラー出演>)、「LINK」(13/WOWOW)、「ノーコン・キッド〜僕らのゲーム史〜」(13/TX)、「全身編集長」(13/ NHK-BS)などがある。また大森立嗣監督作『ぼっちゃん』(13)で主演を果たし話題となる。緒方明監督作品は今回が初参加となる。

1981年、東京都生まれ。2000年にクリエイディブ集団ケシュハモニウムの映像作品「鵺譚」(早稲田映画祭グランプリ受賞、JCF学生映画祭グランプリ受賞)に参加。2008年Sighzance Short Films Party Vol.1『スーパー』(石川均監督)、2009年 Sighzance Short Films PartyVol.2「ひといき」『ともだち』(松浦徹監督)に出演。現在、舞台、映画にと活躍中。緒方明監督作品は『友だちと歩こう』が初参加となり、本作が本格的なスクリーンデビューとなる。また、主演映画ショートストーリーなごや『なごやの喫茶店』(2014年公開/野村美奈子監督)が控えている。

1984年、千葉県生まれ。日本映画学校卒業後、2005年、太田裕子監督『夏のおとどけもの』でスクリーンデビュー。2010年劇団東京乾電池入団。映画・舞台・TVに幅広く活躍する。近年の出演作に、映画『俺たちに明日はないッス』(08)、『きみは僕の未来』(10)、『舟を編む』(13)、TVドラマ「人間動物園」(08/WOWOW)、「怪奇大作戦 ミステリーファイル」(13/NHKBSプレミアム)、舞台「甘い記憶」(12)、「夏の夜の夢(13)など。緒方明監督作品は『靴ケ浜温泉コンパニオン控室』(08)で初参加以来、本作で4作目の出演となる。

1942年神奈川県生まれ。俳優座養成所15期卒業。舞台で活躍後、68年 『二人の恋人』 で映画デビュー。以降、舞台・映画・TVドラマにおいて存在感ある脇役として活躍。悲劇的な善役から狂気的な悪役まで、幅広い演技力を生かして多彩な役柄を演じている。また、独特の声を生かし、ナレーションやラジオドラマにも出演している。主な作品に、映画『タンポポ』(85)、『マルサの女』(87)、『スーパーの女』(96)などの伊丹十三作品や『郡上一揆』(00)、『風花』(01)、『それでもボクはやってない』(07)、『山桜』(08)、『奇跡』(11)、『はやぶさ/HAYABUSA』(11)、『渾身』(13)、『BUNGO~ささやかな欲望~「鮨」』(12)などの話題作に出演。舞台出演も多く「藪原検校』」、「高き彼物」、「錦繍」、「骨唄」、「かもも来るころ」、「金閣寺」、「子供騙し」、「英国王のスピーチ」 など。 その深みのある演技は高く評価されている。

1959年佐賀県生まれ。高校時代から8ミリ映画を撮り始める。福岡大学在学中に石井聰亙監督と出会い、映画監督を志して上京。『狂い咲きサンダーロード』(80)などの石井作品で助監督を務めるかたわら、自主制作映画『東京白菜関K者』(80)を監督。ぴあフィルムフェスティバル81にて長谷川和彦、大島渚らの推薦を受け入選を果たす。その後、高橋伴明監督や大森一樹監督らの助監督を務め、86年にフリーディレクターとして独立。CMやミュージックビデオ、ドラマなどを多数演出。90年代には「ETV特集」など、テレビドキュメンタリーを中心に活躍。作品本数は100本を超える。00年『独立少年合唱団』で長編スクリーンデビュー。この作品は、第50回ベルリン国際映画祭コンペ部門で新人監督賞にあたるアルフレッド・バウアー賞を受賞。日本人初の受賞となった。中年男女の不器用な恋を描いた第2作『いつか読書する日』(05)はモントリオール世界映画祭審査員特別賞ほか国内外で多くの映画賞を受賞。また主演の田中裕子はこの作品でキネマ旬報主演女優賞はじめ数多くの賞を受賞。第3作『のんちゃんのり弁』(09)は第31回ヨコハマ映画祭で監督賞受賞。また、主演の小西真奈美は第64回毎日映画コンクールをはじめヨコハマ映画祭、高崎映画祭で主演女優賞を受賞。2010年10月には、1957年ルイ・マル監督のフランス映画をリメイクした『死刑台のエレベーター』が公開された。

山形県生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、在日米軍施設をはじめいくつかの職業を経て、広告代理店でテレビ番組の企画要員として2年間働く。広告代理店時代に知り合ったテレビ関係者の誘いを受け放送作家の道へ。テレビの放送作家として、「新世界紀行」(1987-1992 TBS)、「サンデープロジェクト/田原総一郎コーナー」1989-1992迄 テレビ朝日)、「驚きももの木20世紀」(1993-1999 朝日放送)、「美の巨人たち」(2000-現在 TX)といったバラエティからノンフィクションまで幅広い数多くの番組を手掛ける。                                       
緒方明監督との出会いは、上記「驚きももの木20世紀」で一緒に仕事をしたことがきっかけ。共に作り上げた10数本の作品は“テレビはここまでできるのか”という衝撃を同業者たちに与えた。同時期に緒方明監督の長編デビュー作『独立少年合唱団』の脚本を依頼される。本作はベルリン国際映画祭で高い評価を得る。2005年再びタッグを組んだ『いつか読書する日』も国内外で多くの賞を受賞した。『友だちと歩こう』は緒方明監督との3作目となる。主な作品にテレビドラマ「私立探偵濱マイク/31→1の寓話」(2002・読売テレビ)、「青い目の少年兵」(2011・NHK)、映画『スープ・オペラ』(2010・瀧本智行監督)など。近作『家路』(2014年3月公開・久保田直監督)の公開を控える。

アコーディオニスト・作曲家数々の国際コンクールで優勝。以来、ヨーロッパ各国でのCDリリース、チャート1位獲得など、”coba”の名前と音楽は国境を越え世界の音楽シーンに影響を与え続けている。20年以上にわたり恒例化しているヨーロッパツアー、更にはアイスランド出身の歌姫ビョークのオファーによるワールドツアー参加など、今や日本を代表するアーティストとしてその名を世界に轟かせている。常にハイクオリティなサウンドを追究したその作品は国内外に高い評価を得る。アコーディオンのイメージをポップミュージックの世界で大きく変えたその音楽は今や”coba”というひとつの音楽ジャンルになったとも言われる。バンクーバーオリンピックの男子フィギュ アスケートにて、coba の「eye」でプログラムに臨んだ高橋大輔がメダルを獲得し、またロンドンオリンピックでは体操の寺本明日香選手が「時の扉」を使用。冬夏2シーズンに渡り、cobaの楽曲が世界の舞台で金字塔を打ち立てた。また、今日までプロデュースしてきた映画、舞台、テレビ、CM音楽は500作品を超える。その他演奏家やオーケストラへの委嘱作品を手がけるなど、作曲家としても多くの作品を生み出している。
2013年11月6日、通算35枚目にして自身初となる独奏アルバム「coba pure accordion」をリリースし、全国ソロツアーを開催中。

1955年山口県生まれ。1977年よりNHK大阪にてフィルム編集を始める。のちに映画のフリープロデューサーとして活動を開始。1991年より(株)アミューズ映像事業部プロデューサーとして活躍。1998年、 ステューディオ スリーに参加。2003年、『ヴァイブレータ』で第23回藤本賞・特別賞を受賞。2004年より(株)衛星劇場製作部部長。2009年、ステューディオ スリー取締役に就任。主なプロデュース作品、『稲村ジェーン』(90)桑田圭祐監督、『南京の基督』(95)トニー・オウ監督、『光の雨』(01)高橋伴明監督、『単騎、千里を走る』(06)チャン・イーモウ監督、『カムイ外伝』(09)崔洋一監督、『軽蔑』 (11)廣木隆一監督、『さよなら渓谷』(13)大森立嗣監督など。近作では実写版『魔女の宅急便』(2014年3月1日公開/清水崇監督)が控える。

初夏。下北沢の飲み屋で教え子の制作部、オクと飲む。「次はいつ撮るんですか」「そんなもんわかんねーよ。
この前も企画流れたし。自主映画でも撮るか」「いいっすねえ。」酔った上の話。すぐ忘れる。
同年秋。再び下北沢の飲み屋。オクと同じく教え子イージマと飲む。
「自主映画撮る話はどうなったんですか。俺来年春は空いてますが」その頃私は
中古のギブソン335を買うべく秘かに貯金していた。ギター買うより映画に使ったほうが健全だよなあと思う。
30分くらいなら3~4日で撮れるか。この頃はとりあえず撮ることしか考えてない。
数日後。脚本家青木研次に会う。
「自主映画撮るけどホン書かない?」「てことはどうせノーギャラなんだろ」
「いや、ノーギャラではすまん。制作費出してもらわんと困る」青木さん、足の悪い老人が歩く話なら書けるという。
それだ。「主役、上田耕一さんでどう?」と言うとノッてくれた。
資金集め。と言っても金持ってそうな知り合いに電話するだけ。
「映画撮りますけどお金出しません?」「返ってきますか?」
「多分無理です」長崎在住中学の同級生で医者のTと合唱指揮者S先生が即OKしてくれる。
早春。青木さんのホン『煙草を買いに行く』があがる。少しばかし難解で純文学な青木ワールド。
「ちょっとわかりにくいかな」と正直に感想言うと「自主映画作るのにわかりやすいもん撮ってどうすんだ!?」
と言われる。納得。
スタッフィングとキャスティング。「お金ないです。でもやりませんか」美術部や衣装部には現金交渉。
数枚の万札渡して「これしかないけどやってくんない?」と笑顔で言う。意外と効果あり。
上田さん、斉藤君、松尾君と緒方組常連俳優が意気に感じて集まってくれた。
2011年3月11日。イン9日前。角川大映撮影所内にある衣装宮本さんの事務所で打ち合わせしてたら揺れがくる。
翌日から計画停電。電車が間引き運転。ロケ場所のカフェの壁に亀裂が入った。3日後。泣く泣く1年間の撮影延期を決定。
初頭。準備再開。スタッフ、キャストに若干の変更はあったもののほぼ同じメンバーでインすることに。
青木さんがシナリオを1行だけ直した。
同年3月。撮影。歩みの遅い老人を演じる上田さん、長英さんの芝居が素晴らしい。ずっとカメラを回していたくなる。
撮影期間5日間。雨で一日延びた。
同年5月。『煙草を買いに行く』完成。35分。
これを第1部として全体を『道を歩けば』というタイトルで1本の映画にすることを決意する。
同年秋。青木研次と今後の脚本打ち合わせ。当初は群像劇として様々な「道を歩く人たち」の
オムニバスの物語にするつもりだったが、青木さん「国ちゃんと富ちゃんをもっと描きたくなった」と言う。
方針変更。上田さんを主役に1時間半の映画にすることになる。
新春。スタッフ再々集結。今回は最後まで撮影することになる。またしても出資者集め。
「友だち」に頼る。高校の同窓会に出向く。金持ってそうで映画好きのヤツをつかまえて出資をお願いする。快諾を得る。。
同年4月第2次撮影。撮影期間5日間。またしても雨で一日延びる。
唯一のナイターオープンで照明を使う。照明って贅沢なことなんだと実感する。
同年5月第3次撮影。撮影期間4日間。雨にもたたられず初めてスケジュール通り撮り終える。
このころになるとスタッフキャスト共に慣れてきて現場がサクサク進む。
懸案だった土手のアクションシーンも技闘の二家本さんの素晴らしい仕切りで順調に進行する。メチャメチャ疲労したけど。
同年6月。編集中に森重Pがタイトルを『友だちと歩こう』にする、と言い出す。
横にいた青木も「いいねえ!」と同意。二人が喜んでるのならと私も従う。
同年7月『友だちと歩こう』完成。友だち、仲間と一緒に作った映画が出来上がりました。いい気分です。
当然ですがギブソン335はまだ買えてません。もういらねえかな。