石野真子 | マジックアワー
石野真子

夢を追いかけ、一度は捨てた故郷。                             友の死をきっかけに、数十年ぶりに帰ってきた60歳を過ぎた映画監督の男。
不器用にも熱く駆け抜けた友の人生を、懐かしい街並みを歩きながらたどり、郷里と家族への愛、そして、果てぬ映画への想いに気付く。「映画のなかで、もう一度会いたい」男は再起をかけて、友を主人公とした脚本を書き始める。

誰しもが心に抱く故郷を思い起こさせ、人生半ばを過ぎてもなお「生き直勇気を与えてくれる、北九州版“ニュー・シネマ・パラダイス”

主人公を演じるのは、実年齢に近い役で円熟の輝きを放つ大杉漣。今は亡き親友に吉田栄作、その妻に石野真子、映画館の館主に藤吉久美子が扮する。小倉・門司港など昭和レトロな街並みが魅力で、これまでに200以上の撮影が行われている“映画の街”として有名な「福岡県北九州市」でオールロケを敢行。昔ながらの商店が軒を連ねる栄町銀天街、緑深い山間に佇む石造りのめがね橋、明治時代のクラシックな木造建築で重要文化財にも指定されている門司港駅など、日本人の故郷をたどるかのような懐かしい光景がふんだんに登場する。

〈小倉昭和館〉は、映画少年であった主人公と親友が通いつめて将来を語りあい、憧れの銀幕スター・赤木圭一郎の主演作『霧笛が俺を呼んでいる』の貴重な本編映像が登場するなど、映画愛に満ちた本作にふさわしいシーンの舞台となっている。また、過去に石原裕次郎や高倉健を主演に何度も映画化された北九州市出身の作家・火野葦平の『花と龍』へのオマージュが垣間見られ、実際に『花と龍』最新版を準備中である地元出身の三村監督の半自伝的なエピソードが盛り込まれている。