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第32回東京国際映画祭 東京グランプリ(最高賞)受賞

デンマークの静かで美しい農村で、年老いた叔父さんと家畜の世話をしながら暮らす若い姪のクリスが、かつて抱いていた夢や恋愛に葛藤する愛の物語。東京国際映画祭の授賞式では、審査委員長を務めたチャン・ツィイーが「この映画は、詩のような語り口で、我々に穏やかに物語ってくれました。監督は抑制的で、繊細なカメラワークをもって、忘れ去られる人間の情感をとても力強く表現しました」と絶賛。監督はデンマーク映画界の新鋭フラレ・ピーダセン。淡々とした日常の中にさりげなくユーモアを効かせ、家族の心の機微を細やかに描く演出は、『東京物語』をはじめとする小津安二郎監督作品から学んだ、と語るピーダセン。自分の気持ちに素直になれないヒロインのクリスと、飄々とした叔父さんが醸し出すユーモラスな間合いと、お互いの幸せを願う愛情が観客の笑いと涙を誘い、世界各国の映画祭で続々と受賞を重ねている。

デンマーク・ユトランド半島の静かで美しい農村。27歳のクリスは幼い頃に家族を亡くして以来、叔父さんとふたりで暮らしてきた。毎朝早く起きて、足の不自由な叔父さんの世話をし、家業の酪農の仕事をこなす。夕食の後はコーヒーを淹れてくつろぎ、週に一度買い物に出かける。そんな決まった毎日を繰り返すクリスだったが、ある出来事をきっかけに、かつて抱いていた獣医になる夢を思い出す。さらに教会で出会った青年マイクからデートに誘われ、次々と訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せない。将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父さんは、姪の幸せをそっと後押しするが…。

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アイスランドの片隅で、心優しい大男が恋をした。氷の国から届けられた、切なくも感動的な愛の物語

43歳独身、デブ。シャイで冴えない大男が、吹雪の夜に。運命的な恋をした…!

アイスランドに住む43歳独身、心優しい大男フーシ。空港に勤めているのに飛行機に乗ったことがなく、同僚には巨体をからかわれ、近所の女の子と遊んでいると幼女誘拐と間違われる。そんな冴えない日々を送るフーシの楽しみは、戦車や兵士の小さなフィギュアでジオラマを作って遊ぶこと。見かねた母は、息子に出会いのチャンスを作ろうとダンス教室を申し込む。しぶしぶ出かけたフーシだったが、そこで金髪の小柄な女性・シェヴンと出会い、陽気な彼女に惹かれていく。しかし実は、シェヴンは心に深い傷を抱えていた。その事を知ったフーシは、恋した女性を守るため、初めて自分から外の世界へ飛び込んでいく…!

巨匠コッポラ監督も絶賛!北欧映画No.1に輝く

主人公は、見た目もダサくてパッとしない大男。それなのに、気付けば彼を好きになり、応援せずにはいられないー。映画ファンやプレスの熱い口コミが駆け巡り、各国の映画祭で観客賞や主演男優賞を続々と受賞、ついには2015年の北欧映画NO.1を決定する【ノルディック映画賞】に輝いた!主人公のフーシを演じたのはアイスランド版モンティ・パイソンと呼ばれる風刺番組の主要メンバーだったグンナル・ヨンソン。“北欧のトトロ”と呼ばれた大きな体がかもしだすユーモアと、繊細で心ゆさぶる演技が絶賛され、世界の人々を虜にし続けている。

誰かを好きになることは、新しい世界の扉をひらくこと。シャイで不器用な男が全力でぶつかった、一世一代の恋の行方は…!?

監督は『氷の国のノイ』(03)で長編デビューし、ミニマルな世界を優しく丁寧に描いてきた北欧映画界の俊英・ダーグル・カウリ。氷の国・アイスランドからやってきた、心も体も大きく温かな男の小さな恋を描く、心にしみいる感動作。