ストーリー

　フランス北西部の港町シェルブールで、ささやかだけれど美しい恋を育むふたり—-自動車修理工の若者ギイと傘屋の少女ジュヌヴィエーヴ。恋に恋する年頃の彼女に未亡人の母エムリー夫人は心配顔。お小言をもらいながらもジュヌヴィエーヴはギイと出会う時間が嬉しい。

　しかしアルジェリア戦争の影はそんなふたりに覆い被さろうとしていた。ギイに届いた徴集礼状。出兵前夜に結ばれたふたりだったが、彼の不在はジュヌヴィエーヴに堪えがたいものになってゆく。そして彼女はギイとの愛の結晶を宿していることに気づいてしまう。
　そんな折り、ギイの出兵前から店の窮地を助けてきた宝石商のカサールがジュヌヴィエーヴの妊娠も意に介せず求婚してきた。
　次第に薄れ行くギイの存在に戸惑いつつ、カサールの誠意にうたれた彼女は申し出を承諾してしまう。

　2年の歳月が過ぎ、負傷してシェルブールに戻ったギイを待っていたのは、ジュヌヴィエーヴ結婚の事実だった—