Story
ストーリー
一度は家族を捨てた父親。
息子との約30年ぶりの共同生活は、
せつなくも愉快な発見の連続。
完璧な人なんていないし、
人はいくつになっても成長する。
世界で大きな感動を呼んだ、
心揺さぶる大人の親子の物語。
母の突然の死により、同じ屋根の下で暮らすことになった父と息子。息子は明るく誰に対してもフレンドリーな一方で、食べ物の配置から眠る前の儀式まで生活習慣へのこだわりが強く、苦手なことも多い。父はそんな息子にどう接したらいいかわからない。さらに長年、子育てから逃げていた負い目もあり、戸惑ってばかり。そんな二人がようやく打ち解けた頃、息子は病を抱える父にあることを提案するが、父は愛ゆえにそれを拒むのだった──。
複雑で普遍的な親子の愛憎と、予測のつかない展開で本国イスラエルやアメリカで大きな感動を呼んだドラマがついに日本上陸!なおタイトルの「靴ひも」は、息子の苦手な動作の一つである「靴ひもを結ぶこと」を指しており、本作では父子の関係の変化と成長の象徴として三度登場する。三度目の靴ひものシーンがもたらす展望は、観る者すべての心にあたたかい光を灯すに違いない。
イスラエル・アカデミー賞(Ophir賞)
8部門ノミネート、
助演男優賞(ドヴ・グリックマン)受賞、
アメリカ各地の映画祭で観客賞を多数受賞
監督を務めたのは、イスラエルの映画・テレビドラマ界で長年活躍するヤコブ・ゴールドヴァッサー。自らの生い立ちをもとに、居場所を探し求めるユダヤ人一家を描いた「Over the Ocean」(91)がアカデミー賞外国語映画賞イスラエル代表になるなど、人間ドラマの名匠として知られる。本作では、イスラエルで報道された実在の父子の臓器移植にまつわるエピソードをもとに、これまでにありそうでなかったユニークな親子ドラマを作り上げた。ゴールドワッサー監督自身も、障害を持つ息子の父親であり、テーマが身近であるだけに困難な挑戦だったが、映画を通して人々の障害に対する意識を変えたいという情熱が制作の原動力になったと語る。
息子役を演じるのは、映画『ボーフォートレバノンからの撤退』やイスラエルの大ヒットドラマ「PrisonersofWar」(米ドラマ「HOMELAND」原案)」、「Hostages」(米ドラマ「HOSTAGE/ホステージ」原案)などに出演する実力派のネボ・キムヒ。本作の企画を立ち上げる際、監督は息子役のキャラクターがどれだけ観客を魅了できるかに映画の成功がかかっていると考えていたが、キムヒは見事にその期待に応え、多面的で愛情深い、誰もが好きにならずにはいられない主人公を体現した。父親役には、1970年代からテレビドラマの第一線で活躍し、近年はNetflix配信の「シュティセル家の人々」の厳格な家父長役が話題のドヴ・グリックマン。本作では哀愁が滲む演技で観客の笑いと涙を誘い、イスラエル・アカデミー賞(Ophir賞)助演男優賞に輝いた。