みたこともない珍妙な映画、だけど、、、一周回って面白い! アイスランドの田舎を舞台に、馬の視点と人間の視点が入れ替わりながら、村人の日常を描いた本作。人間のプリミティブな部分が力強く描かれていて、呆気にとられつつ、滑稽で、それでいてやけに説得力があります。 一口では言い表せないけれど、都会で“洗練された”人間関係を生きている人たちが面食らいながら観るべき映画なのかも。 81分の本編と、見終えたあとの「え?どういうこと?あ!そういうこと!!」感も含め、痛快な体験になること、請け合いです。 膳場 貴子さん (TBSニュース23キャスター) 果たしてこれは映画なのか。映画とはリアリティの追究ではなくドリームだと私は思っている。 しかしこの映画はあまりのリアルさにドキュメンタリーだと錯覚してしまう。しかし見終わった時は夢心地。まさにドリーム体験。 この映画の何がそう感じさせたのか。それは人間と馬の交流を描くように見せかけて実は人間と馬を同じ視線で表現していたからである。 いきなり登場する白馬は主人公の恋人にしか見えない。その後に登場する馬も人間なのである。やがて人間が馬に見え、果たして人間と馬の区別、境界線はどこなのかわからなくなってくる。 言葉ではもはや説明出来ないから是非ご覧に、いや観るではなくこの映画に関しては体験する、が一番適していると思う。 立川 志らく さん (落語家) 驚愕!全ての要素が詰まっている作品だ。 愛しくて、痛くて、可笑しくて、切なくて、苦しくて、、、いつの間にか物語の中にドップリ入り込んでいた。 また、アイスランドが恋しくなった。あの日出逢ったアイスランドの人々・馬達が、恋しくなった。 永瀬 正敏 さん (俳優) 雄大な自然と些細ないざこざ。やっぱりchildren of nature なんだ。 ふかわりょう さん (タレント/アイスランド総合研究所(氷総研)名誉教授) 可笑しさと、健気さと、真面目さと、適当さと、いろいろなものが入り乱れる北緯66度の世界。アイスランドの馬も男も女も共通していることは、とにかく彼らは真剣に生きている。 ずうっと眺めていたくなる(でも俯瞰で)光景でした。 KIKI さん (モデル) 馬も人間も等しく撮られたこの視点はなんと清々しいことか。 ほんの少し見方をずらすだけで風景は一変し、物語は新鮮なものになる。 僕もここに映る生き物たちのように酒を飲み、飯を食い、交尾がしたい。 松江 哲明 さん  (映画監督) ウマと暮らし、深く関われば関わるほど、「ヒトってしょうもない生き物だなあ」と、わたしは感じるようになった。この映画は、まさにその「ヒトのしょうもなさ」が、辛辣に、ユーモラスに描かれている。 馬たち、ごめんね、ヒトがこんな生き物で。  とにかく馬が、たくさん、たくさん出てくる。馬語は世界共通だから字幕はいらない。 わかるヒトなら、アイスランドの馬たちが語るコトバを読み解くだけでも、ものすごーく楽しめる。 ヒトとウマの立ち位置が並列に描かれるアプローチが斬新。 河田 桟 さん (「馬語手帖」作者) 画面の底に、なにか粘りのある、力のある、いい映画だ。 登場する人物たちはみんな、なんとも情ない情況にあるが、 見ていてそれが、逆に楽しくって、いいぞいいぞ、なんとかなるぞ、 俺も一緒にそこまで行こう、と言いたくなる。●映画評論家:佐藤忠男 何でもないような世の中の事象や人間を、何かあるような映画にしてしまう監督の腕に感服。やっぱり、映画というものはこうでなくては。●映画監督:大森一樹 緒方明監督+青木研次脚本の名コンビが、またまたやらかした。 今まで観たどんな映画にも似ていない。なんなのだ、これは??!! 今の日本映画界の常識では存在があり得ない作品が、創りたいから創られ、 映画館で鑑賞できるなんて、なんとステキ過ぎる、うれしい事件なのだろう。 世界の誰にも真似できないオリジナリティーに溢れた映画、 気合いが入っているのか脱力しているのかわからない、 大まじめなのかブラックギャグなのかわからない、 そのどちらでもあるような、面白くも不思議な異次元ワールドに連れていかれる映画だ。 映画でしか表現し得ない「何か」、しかし、 覚悟して創ろうとしないと絶対に形にならなかった未知な「何か」が、ここに生まれた。 笑っていいのか? 笑っていいのだ。 感動していいのか? 感動していいのだ。 勝手に解釈していいのか? 解釈していいのだ。 理解しなくていいのか? 理解しなくていいのだ。 ただ、映画を浴びて、楽しめば、いい。映画は自由で、面白く、それでしかないもの。 映画は、まだまだ、無限の可能性に満ちあふれている。●映画監督:石井岳龍 友だちと歩くと、人との出会いがあり、いろいろな出来ごとに遭遇する。 歩くことは人生そのもの。俳優達が皆いい味を出している。 特にベテランの上田耕一と高橋長英が素晴らしい。 緒方明監督が、優しい眼差しで描く人生についての映画。必見!●カメラマン:川上皓市 緒方明という大器の内に潜む繊細な演出力が 日常風景の中に眠る人々の危うさと、同時に観客の目を覚まさせる!●映画監督:伊藤俊也 師匠の石井岳龍は「走る」映画だったけど緒方明が選んだのは「歩く」映画だった。  そうだよな。今の時代、歩くことだって大変だ。  時々立ち止まったっていいから、どんな に遅くても前進しよう。  歩き続けよう、誰かのために、己のために。  緒方の思いと気合いが入った、チャー ミングな映画です。熱演の虫も必見。    映画監督:天願大介